今回紹介する『黄色い家』は「ブックレコメンドの課題作」でもあるので、目に止まりました。
注意をひくのは、なんとも言えないこの黄色い表紙!

まさにジャケ買い必至の作品です!
インパクトのある黄色の表紙は買うだけでも金運がアップしそう・・・

そんなことを思い、読み始めた一冊。
読み終えたときの感想は・・・・・

とても深い!!!!!
表紙ニモマケズ、インパクトのある中身!
どんな切っ掛けであろう素敵な作品に出会えたことに感動しています。
この記事では、『黄色い家』のあらすじから読みどころまでを解説します。
ちなみにブックレコメンドは書評の練習ができるオススメの副業です。
- 本を読むことが好き
- 文章を書くことが好き
- 記事を書く練習がしたい
詳しくは、↓こちらの記事でも紹介をしています。


著者 川上未映子
1976年8月29日 大阪生まれ。作家になる前は、音楽活動をしていた。
2008年「乳と卵」で芥川賞受賞、「ヘヴン」「夏物語」「春のこわいもの」、「すべて真夜中の子供たち」が『全米批評家協会賞』最終候補にノミネート。

実は、川上未映子さんの作品は、Audibleの聞き放題でも聴ける作品が多いんです。
- ヘヴン
- 夏物語
- 春のこわいもの
※Audibleのお試しなら気軽に作品を楽しむことが出来ます。まずは無料期間で試しに聞くことがオススメです。

あらすじ
物語は現代のコロナ禍、主人公(花)が見たネットニュースの事件から始まる。
花の目に止まったのは、少女を監禁、暴行をしてある女(黄美子)が逮捕されたというネットニュース。
ニュースをきっかけに、20年前の黄美子と過ごした忘れかけていたある記憶がよみがえる。
当時、まだ未成年の花は、スナックで働く母親と二人で貧しい暮らしをしていた。
そんな暮らしから脱け出そうと働き始めたが、貯めていたお金を盗まれる。自暴自棄になっていた時に再会したのが以前に一緒に暮らしていた黄美子だった。
まだ未成年の花だったが、黄美子と再会してからふたりでスナックを始め、同じ境遇の2人の仲間とも出会った。
4人は共同生活を始めることとなったが、スナックが火事で焼失。責任感の強い花は働く術を探す事となるが、やがて闇の世界へと踏み込むと、さらに闇へと深い闇に落ちていく。
レビュー
誰でも忘れかけている『過去の記憶』がある。
自然と忘れている記憶、自分自身で忘れるために封印をしている記憶
この『黄色い家』は後者の記憶にあたる。
自分自身で、記憶に蓋をして忘れようとしている40代になった主人公の花。
金は人間を狂わして、闇へ闇へと深い部分に引きずり込む。
まだ若い主人公(花)が起こした事件は忘れたいけど、忘れたくない記憶だった。
若さゆえの過ちは、取り返しのつかないものになる。苦しみ、もがき、黄色にすがる。
『過去の記憶』に取り憑かれた人間模様が描かれている。
闇へと転落するスピード感に圧倒され、読む手が止まらない作品。

生きるために、罪を罪と思わない感覚。知らずしらずに戻れない場所までに主人公の記憶を鮮明に表現している作品です。
記事のまとめ
ブックレコメンドの紹介をするためにと読み始めましたが、最後まで読み終えて、深く感情を揺さぶられました。
誰にでも、罪を犯す可能性はあるものの、ある一定のところで押しとどまれているからこそ今がある。一瞬の判断によって、自分自身が犯罪に巻き込まれる可能性もあれば、自分の子供が同じように巻き込まれる可能性もある。
子どもを持つ親としては、『子供の一瞬の感情を見抜くことが大事』だと思わさせられる作品でした。
一つの作品から好きな作家さんを見つけると、次に読む本の道しるべになります。

こちらの記事でも、手がかりとなる好きな作家さんを見つけることが出来ます!
